mardi 5 janvier 2010

Livre A 第1章について


第1章を振り返ってみたい。

冒頭の 「人は知りたいという欲求を内に秘めた存在である」 というアリストテレスの言葉はあまりにも有名である。ここでは知るということについて考えている。知るためには感覚を通して経験する必要がある。その感覚の中でアリストテレスは視覚を頂点に置き、それに聴覚を続けている。それから記憶の重要性を説いている。記憶がなければ感覚を経験とすることもできないので、自らを教育することが叶わなくなる。

ここでは art を技術と訳したが、現在使われている意味ではないことがわかる。適当な言葉があればご指摘いただきたい。ここでの技術という言葉には、多くの経験が蓄積され、その間の関係性を通して統合された一つの概念、一つの知を意味している。アリストテレスは、この技術を持つことが経験だけに留まっている場合より優れていることを強調する。なぜなら、前者はものごとの原因、原理を知っているからであるとしている。さらに、知っているということは他人にそのことを教えることができることを意味すると語っている。これも単なる経験ではなく、原因・原理を掴んでいるからになる。

つまり、知るという過程で大切なことは、感覚、経験を超えて原因、原理を探ることで、これこそ科学の使命になっている。最後の方では、これを智(哲学)と置き換えている。当時、科学=哲学と考えていたことが分かる。興味深かったのは、この営みが生まれたのは人間に暇がある環境だったという点である。こちらの先生との話の中で、哲学の必要条件の一つとして時間(暇)が出ていたことを思い出す。忙しい現代では哲学が生まれにくいということかもしれない。

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